日本のテレビ史に刻まれる名番組『ザ!鉄腕!DASH!!』。
その中で“DASH村”という企画が、多くの視聴者の心を温めてきた。
炭を焼き、米を作り、自然とともに暮らす――その「リアルな生き方」を支えたのが、ひとりの職人。
三瓶金光(さんぺい・きんこう)さん。
TOKIOのメンバーが“先生”と呼び、慕い続けた“山の師匠”だ。
2025年7月11日、三瓶さんは94歳でこの世を去った。
その訃報が番組内で流れた瞬間、SNSには悲しみと感謝の声が一斉に広がった。
「金光さんも喜んでくれるから」――松岡昌宏の言葉に滲んだ絆
11月2日の放送。
DASH村25年目の稲刈りを迎えた松岡昌宏は、仲間たちを見渡してこう呟いた。
「金光さんも喜んでくれるから」
その言葉に、長年番組を見続けてきたファンの胸が熱くなった。
共に過ごした時間、受け継いだ知恵、そして見守るような笑顔。
金光さんは、DASH村に欠かせない“家族”のような存在だったのだ。
プロフィール ― 山を愛したひとりの職人
- 名前:三瓶 金光(さんぺい・きんこう)
- 生年月日:1931年3月28日
- 没年月日:2025年7月11日(享年94)
- 出身地:福島県(とされる)
- 職業:炭焼き職人・山仕事師
- 主な出演:日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』内「DASH村」企画
10代の頃から山に入り、炭焼き職人として生きてきた三瓶さん。
炭窯の設計から火の管理までを一人でこなす“炭焼きの達人”として知られた。
学歴 ― 学校ではなく、“山が先生”だった
三瓶さんの学歴については、公的な情報が明かされていない。
だが、番組を見れば、彼がどんな環境で学び、どう生きてきたかは一目瞭然だ。
「風を読む」「煙を嗅ぐ」「土を触る」――すべてが実地での学び。
彼にとっての“学校”は、机の上ではなく、山そのものだった。
自然を観察し、失敗から学び、身体で覚える。
その姿勢は、今の時代が忘れかけた“生きる力”そのものだった。
経歴 ― 炭焼き一筋の人生、そしてテレビへ
戦後間もないころから山で炭を焼き続け、地域の炭焼き職人として名を馳せた。
やがて、日本テレビの「DASH村」企画がスタートすると、地元の炭焼きの達人として制作陣に協力。
火の扱い方から、窯づくり、木の選び方まで――
金光さんの知恵と経験が、村の“基盤”を作った。
炭の煙が立ちのぼるたび、TOKIOのメンバーは「金光さん、これでいいですか?」と聞く。
そのたびに、彼はニッと笑って一言。
「うん、悪くねぇな」
その言葉ひとつで、誰もが安心した。
炭焼き職人としてだけでなく、“人を育てる達人”でもあったのだ。
結婚相手・子どもは?
三瓶さんの配偶者や子どもに関する情報は、公には一切明かされていない。
DASH村を通しても、家庭の話題が出ることはなかった。
しかし、TOKIOのメンバーや番組スタッフを見つめるまなざしは、まるで家族を見守るようだった。
実の子どものように彼らを叱り、励まし、笑い合う。
血のつながり以上に深い絆――
それが、三瓶金光さんとDASH村の仲間たちの関係だった。
死因 ― 公表はされず、それでも伝わる“静かな旅立ち”
2025年11月2日放送の『ザ!鉄腕!DASH!!』で、「7月11日に永眠」とだけ発表された。
死因についての具体的な言及はなかった。
ただし、享年94。
長年山仕事を続けてきたその体が、静かに役目を終えた――
多くの視聴者は、そう感じたに違いない。
火とともに生きた人が、火が消えるように静かに旅立つ。
それは、まるで自然と一体になったような“金光さんらしい最期”だった。
SNSにあふれた追悼の声
放送後、SNSは追悼の言葉で埋め尽くされた。
「金光さんにも今年のお米を食べてほしかった」
「DASH村の皆さん、もう90代なんですね」
「天国で昭雄さんと一緒に見守ってください」
誰もが“先生”の死を悼みながらも、
「今も村を見守ってくれている」と信じていた。
それだけ、三瓶さんが遺した存在感は大きかった。
DASH村とともに歩んだ25年
2000年に始まった「DASH村」。
三瓶さんは、その立ち上げ当初から関わり続けた。
彼の仕事は、ただの“職人”ではない。
村の自然を守り、若者たちに技を伝え、里山の知恵を未来に残した。
震災後、村が立ち入りできなくなっても、その教えは番組の別企画で生き続けた。
DASH島や0円食堂など、どの場面にも“金光さんのDNA”が息づいている。
生き方そのものが“教育”
三瓶さんは、多くを語らなかった。
しかし、その背中は雄弁だった。
火の扱い方だけでなく、自然との向き合い方を教えた人。
「自然は嘘をつかねぇ」と言わんばかりに、誠実に働く姿。
それは、“生き方”そのものが教育であることを示していた。
現代人が忘れかけている「手で作る」「時間をかける」という尊さを、彼は最後まで体現した。
おわりに ― 炭のように、静かで、強く
三瓶金光さんは、名言を残すタイプの人ではなかった。
けれど、彼の生き方こそが何よりの言葉だ。
自然に寄り添い、火を守り、人を育てる。
その生き方は、まるでゆっくりと燃え続ける炭のように、静かで、温かく、そして強い。
DASH村の精神は、今も確かに生きている。
山の上で見守る金光さんに、心からこう伝えたい。
「ありがとうございました。そして、またいつか。」
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