東京・世田谷区の住宅街に、深夜のサイレンが鳴り響いた。
「赤ちゃんをやった……私も死のうと思った」
その通報の主は、28歳の母親・鈴木沙月（すずき・さつき）容疑者。
生後3カ月の娘・優愛（ゆあ）ちゃんを自らの手で殺めたとして、殺人の疑いで逮捕された。
静かなマンションの一室で、何が起きていたのか。
この悲劇の裏には、壊れかけた家族の物語が隠されていた。
容疑者・鈴木沙月とはどんな人物？
28歳の若い母親。
世田谷区松原の集合住宅で、夫と娘と3人で暮らしていた。
近隣の住民は「赤ちゃんを抱いて買い物をしている姿をよく見た」「静かで優しそうな人」と口を揃える。
平凡な日常の中に潜んでいた“心の闇”に、誰も気づけなかった。
職業は公表されておらず、報道では「職業不詳」とされている。
しかし、娘を育てながら離婚の話を抱えていたという事実だけでも、
その精神的な負担は容易に想像できる。
家族構成──夫と娘、そして崩れていく家庭
家庭は、夫と娘の3人暮らし。
娘・優愛ちゃんはまだ生後3カ月の、笑顔を覚えたばかりの時期だった。
一見、幸せそうな家庭だったが、
その裏では夫婦関係の亀裂が深まっていたという。
取り調べで鈴木容疑者はこう語っている。
「離婚の話が進んでいて、親権を取られるくらいなら娘を殺して自分も死のうと思った」
その言葉には、母親としての“愛”と“絶望”が混じっている。
失う恐怖と、守れない自分への怒り。
彼女の心は、限界まで追い詰められていた。
夫は誰？──報道されている範囲と背景
事件当時、鈴木容疑者には婚姻関係にある夫がいたことが確認されている。
報道によると、夫婦間では離婚協議が進んでおり、親権の話し合いも行われていた。
しかし、夫本人の情報（氏名・年齢・職業など）は公表されていません。
また、事件発覚後も、夫がどこにいたのか・どのような経緯で事件を知ったのかについても、
警察やメディアは明かしていません。
おそらく、娘を失った夫の心情は計り知れないでしょう。
自分の知らぬところで、妻が“母としての最後の決断”をしてしまった――
その現実を受け止めるのは、どんな言葉よりも重い苦しみだと思われます。
離婚、親権、そして家庭の崩壊。
その渦中で、家族3人の関係は静かに崩れ落ちていったのです。
事件の夜──浴室で見つかった小さな命
11月3日の深夜。
鈴木容疑者の通報で、警察が世田谷区松原のマンションに駆けつけた。
浴室に倒れていたのは、優愛ちゃん。
腹部や背中には複数の切り傷があり、救急隊による懸命な救助もむなしく、
その場で死亡が確認された。
通報の声は震え、泣きじゃくっていたという。
「ごめんなさい、私は死ねなかった」
その一言が、事件の全てを物語っている。
現場となったマンション──静かな街の中で
世田谷区松原は、古くからの住宅地と若い世帯が混在する街。
駅からも近く、子育て世代に人気の地域だ。
「夜にパトカーが何台も来ていて驚いた」
「いつも静かな場所なのに…」
近隣住民の証言は、口々に“信じられない”という言葉で溢れている。
現場は今も警察によって厳重に管理され、
静かな街に重苦しい空気が漂っている。
自宅住所について
事件現場の住所は「東京都世田谷区松原」と報道されています。
それ以上の詳細――マンション名や番地など――は、
警察・報道機関ともに公表していません。
現場周辺は現在も報道陣が詰めかけていますが、
地域住民への配慮から取材制限も行われているとのことです。
容疑者のSNSアカウントは？──噂と真実
SNS上では、容疑者の名前をもとに“本人アカウント”を特定しようとする動きが出ています。
しかし、主要メディアはどれも本人のSNSを確認していません。
名前や年齢が一致するだけで“本人”と断定するのは非常に危険で、
無関係な人物への誹謗中傷に発展するケースもあるため、注意が必要です。
ネット上の憶測よりも、警察発表や大手報道機関の続報を待つことが大切です。
追い詰められた母親の心──孤独と絶望のはざまで
出産後の母親は、ホルモンバランスの変化や睡眠不足、
育児への不安で心が不安定になることがある。
そこに「離婚」「親権」という現実が重なれば、
“自分を責める気持ち”が暴走するのは不思議ではない。
「愛していた」「でも奪われたくなかった」
そんな相反する感情が、鈴木容疑者を壊してしまったのかもしれない。
終わりに──「もしも」が積み重なった先に
もし、彼女のそばに助けを求められる人がいたら。
もし、心の内を話せる場所があったなら。
優愛ちゃんは、今も母の腕の中で眠っていたかもしれない。
母親が孤立し、家族が壊れていく社会。
世田谷の悲劇は、そんな現代の“見えない危機”を私たちに突きつけている。
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